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Schools of Living Traditions~最近、特に力を入れている活動、SLTとは

それでは、土着の固有文化を守るにはどうすればいいのでしょうか?

それには2つの方法があるとタヒミックさんは言います。ひとつは目に見える形でそれを記録し、アーカイブ化すること。もうひとつは、次世代へ生きたかたちで伝承していく、という方法です。

タヒミックさんの映画が前者であるならば、最近特に力を入れている活動「Schools of Living Traditions(以下SLT)」は正に後者といえるでしょう。

SLTとは、タヒミックさんとその夫人カトリーンさんが設立した「Heritage and Arts Academiesof the Philippines, Inc(HAPI)」と、フィリピン大学バギオ校およびNCCA(国家文化芸術委員会)が協力して行っている教育プログラムで、フィリピンの伝統文化や土着文化を若者に継承していく活動を行っています。

cam_tahimik_40.jpg次世代へ文化を継承するには様々な方法がありますが、このプログラムでは、特に若者への固有のスキルやテクニックの伝達ということに焦点を当てて指導を行っています。学問的な教えというよりは、手から手へ、口伝えで実践を通して学ばせるというのが特徴です。

それは、文化的保護という側面をもつと同時に、手に職をつけることで若者が仕事を継続し、その分野で新規開拓を行い、そのまた次の世代へ技術を伝承していくという意味も持ちます。その点でも担う意義は大きいといえるのではないでしょうか。

提供する教育分野は幅広く、工芸家、織工、唱い語り、ダンサー、アーティストなど、伝承者・後継者がいない土着文化コミュニティの保存に大きな一助となっています。

KAPWA-3

「Schools of Living Traditions」の中心的存在「HAPI」は、タヒミックさん夫妻により創設された団体ですが、その始まりは、自宅をフィリピン人アーティストへのアートスペースおよび居住地として開放したのがきっかけでした。

一時的な家としてコミュニティを提供した彼らのスタイルは、“Kapwa”という土着のフィリピン文化に根ざした、ごく自然発生的なものでした。

“Kapwa”とは、フィリピンで広く使われている“共同体”、“団結”という意味のタガログ語で、しばしばフィリピン文化を象徴する言葉として用いられます。

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その“Kapwa”を冠したイベント『KAPWA-3』が、この夏バギオにて開催されました。SLTを中心として、2004年に初めて開催された『KAPWA』ですが、今回で3回目を迎える『KAPWA-3』は、回を重ねる毎にその規模を増しています。

フィリピン全土から150もの土着民族が集まり、伝統舞踊や歌、工芸品、写真展示、もちろんタヒミック氏の映画なども上映。様々なワークショップや国際会議なども開催され、学術的・文化的にも大きな意味をもつイベントとなっています。

フィリピンだけでなく、日本からもアイヌを代表した方々や、タイ、ニュージーランドの先住民なども参加した、今回の『KAPWA-3』。フィリピン、バギオは民族のカオスと化し、エネルギーに満ちあふれました。

  • 期間/2012年6月25日~7月1日
  • 場所/フィリピン、バギオ
  • 内容/シンポジウム、各種ワークショップ、映画上映、アートエキシビジョン他
KAPWA-3
フィリピン、バギオにて開催されたイベント『KAPWA-3』。
Kapwa-3 International Conference(http://www.facebook.com/pages/Kapwa-3-International-Conference/238633056240716)

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