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1999年学校訪問レポート

1999年大賞受賞/侯 孝 賢(ホウ・シャオシェン)

タイトル
日本の中学生におくるメッセージ ~ 映画との出会いを通じて
開催日時
9月28日(火)14:10 ~ 15:40
会場
城南中学校
参加
1、2年生 約600名

侯孝賢氏は中学1・2年生約600名に向けて講演等を行った。

まず侯氏は「皆さんの年代は感覚が非常に鋭く、一番敏感な年頃である。しかし、教育を受けていくうちに、それがだんだん鈍くなっていく。感覚を敏感に保っていくことが大事なことだ」と述べた。

侯氏は少年時代の光景が今でも鮮烈な感覚の記憶として残っており、それが後に制作した映画の中で顔をのぞかせていると語った。映画は観察力で作り上げられているが、その観察力でもっとも大事なのは直感であり、自分の感覚を信じることは人生の中でとても大きな課題であると語った。

そして、人間が成長していく過程の中で、育った環境、家庭、学校はその人の人生に大変大きな影響を与えるということを語り、また、子供の時に羽根を持った種を見て「その木は意志を持っていて、風があることを知っている」ことを発見したという思い出を例に、教科書から教わることと自分で発見することはまったく違うということを示し、自分の経験を大切にする必要性を繰り返し述べた。

侯氏が質問を求めると、会場の中学生から次々と手が挙がった。まず「日本に来て印象に残ったことは?」という質問に対し侯氏は、何ごともよく整っていて気がつく民族だと思ったと答え、他に印象深かったこととして、京都の寺の境内で缶蹴りをしている子供を見て、寺が美術品である一方で身近なものでもあることに感銘を受けたと述べた。
「子供のどんな表情が好きですか」という質問には、子供を撮るのは好きで、まず自信をもてるようにしてあげると子供は天真爛漫にのびのびと演じてくれると語った。そして、遊びは大事であり、自分の中に目的のない遊び心を持ち続けることが貴重だと述べた。

最後に侯氏は、こんなに多くの生徒のストレートなまなざしを感じるのは初めてで、その前では知識から出る言葉が力を失うような不思議な感覚を味わったと感想を語った。そして、「遊び心や情熱を忘れずに、早熟せずにゆっくり大人になって下さい」と生徒たちにメッセージを贈った。

この後生徒たちは、映画『冬冬の夏休み』の中で使われた「赤トンボ」の歌を感謝の気持ちを込めて合唱し、全校生徒の協力で集められた台湾大地震のための義援金と千羽鶴を託した。そして、侯氏による校舎を撮影し、和やかなひとときを過ごした。

1999年学術研究賞受賞/大林 太良

タイトル
私の歩んできた道
開催日時
9月28日(火)14:00 ~ 15:30
会場
高取中学校
参加
全校生徒 約700名

大林太良氏は、全校生徒約700人を対象に講演を行った。大林氏にとっても中学生に話をすることは初めての経験であり、氏の少年時代とでは社会環境がかなり異なるが、参考になれば幸いであると述べた。

まず、小学生のときに家族とともに奈良や伊勢の由緒ある遺跡、神社などをまわったこと、さらに小学生から中学生のときに「古事記」、「日本書記」に関する本を大いに読んだことなどを紹介し、それが民俗学・神話学研究の道に通じる日本の古代に興味を抱くきっかけとなったと語った。

次に、旧制高等学校時代に教科書に載っている小説や詩などについて友人と語り合ううち、それを文学として鑑賞する気持ちが芽生えたことや、初めてのヨーロッパ留学で、現地の研究者が自分の研究の領域だけでなく世界全体についても関心を持ち、はるかに広い知識をもっていることに驚きを感じたことなどを語り、それら青春時代の経験の一つひとつによって、「新しい知的世界がぱっと目の前に開けていった」とk、そのときの感動を表現した。

さらに、それぞれの大学がその伝統に誇りをもち、他の大学の研究や流行にとらわれず独自の道を歩んでいるというヨーロッパの姿に、その当時研究者が少なかった日本神話の研究をやり続けた氏自身の姿と重ね合わせながら、「人からのアドバイスを謙虚に受け入れる気持ちをもつことが大切だが、みんなと同じことをやろうとするのではなく、少し人と離れたとしても、他人に盲従せず、意志の強さをもって自分自身の道を歩む」ということの大切さをメッセージとして贈った。

生徒からの「神話研究の道を選んだきっかけは何か」という質問に、大学の助手のときに「日本文学の起源の研究をするなら、まず日本のまわりをよく見ることが大切である。」とのアドバイスを受けてはじめた東南アジアの研究で、日本の神話との類似性に気がついたことが本格的に神話の研究をはじめるきっかけとなったと述べた。

最後に大林氏は「本はとにかく最初から最後まで読むこと。読む中で、何かおもしろいものに気がつくことがある。若い頃、本を多読する時期が必要である」と述べて講演をまとめた。

1999年学術研究賞受賞/ニティ・イヨウシーウォン

ニティ・イヨウシーウォン氏による学校訪問の開催はありません。

1999年芸術・文化賞受賞/タン・ダウ

タン・ダウ氏による学校訪問の開催はありません。

福岡アジア文化賞年次報告書ダウンロード

福岡アジア文化賞授賞式の様子や各種イベントのレポートを含めた1999年度の事業報告書を、PDF形式でダウンロードいただけます。

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各種イベントレポート

1999年度の学校訪問以外のイベントレポートをご覧いただけます。