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2006年授賞式レポート

2006年(第17回)福岡アジア文化賞授賞式

開催日時
2006年9月14日(木)/18:00~19:40
会場
福岡国際会議場 メインホール
司会
アグネス・チャン
参加者
約1,000名

秋篠宮殿下の御臨席を賜り、大使館関係者、国際交流団体、経済団体、大学関係者、留学生、地域団体及び市民など約1,000名が見守る中、アグネス・チャンさんの司会により、厳かな雰囲気で式典が行われた。

第1部では、まず映像で受賞者の業績を紹介した後、会場から盛大な拍手で迎えられ受賞者が入場した。その後、主催者代表挨拶、秋篠宮殿下からのお言葉、選考経過報告が行われた後、主催者より各受賞者に賞状とメダルが贈呈された。

続いて、各受賞者がスピーチを行い、受賞の喜びやアジアの文化に対する考え、市民へのメッセージなどを語った。

最後に、福岡インターナショナルスクールの生徒たちから各受賞者へ花束が手渡され、会場は再び大きな拍手に包まれた。ステージ上では受賞者のエスコート役として筑紫女学園大学アジア文化学科の学生たちが和服姿で登場し会場に花を添えた。

第2部では、和やかな雰囲気の中で、4人の受賞者とアグネス・チャンさんとの対談が行われた。

その後、福岡市民を代表して、福岡大学東アジア地域言語学科の安永秀司氏から受賞者へのお祝いの言葉が贈られた。

最後はアグネス・チャンさんが、会場と一体となって「しあわせの花」を合唱し、授賞式を感動的に締めくくった。

秋篠宮殿下のお言葉

第17回福岡アジア文化賞の授賞式に、皆様とともに出席できましたことを大変嬉しく思います。

今日、アジアでは多くの国々が経済的発展を遂げ、世界で最も活気のある地域のひとつと言われるようになっております。他方、アジアの多様な文化は進展著しいグローバリゼーションの影響を受け、時に画一化を迫られることもありますが、国有の伝統文化を保持、保存しつつ新しい文化の創造にも多大な努力が払われています。私自身、アジアの諸地域を幾度となく訪れておりますが、それぞれの土地固有の文化の多様さと深さに感銘を受けるとともに、その変化に驚かされることも度々あります。

このような時代にあって、アジア諸地域の文化の保存と継承、そして創造に対して貢献された方々を顕彰する福岡アジア文化賞は大変意義深く、本日、大賞、学術研究賞、そして芸術・文化賞を受賞される4名の方々に、心からお祝いを申し上げたく思います。皆様の優れた業績は、ご自身の国に対する貢献であるにとどまらず、アジア文化の奥行きを示すとともに、人類社会全体の文化を豊かにするものであり、全世界に対する貴重な情報発信であると言えます。

終わりになりますが、受賞される皆様が、今後ますます活躍されることを祈念するとともに、開催に尽力された多くの関係者の方々に敬意を表したく思います。そして、この福岡アジア文化賞を通じて、アジアに対する理解がさらに深まり、国際社会の平和と友好がより一層促進されますことを願い、私のあいさつといたします。

大賞受賞者によるスピーチ

2006年(第17回)福岡アジア文化賞大賞を受賞することができ、誠に光栄に存じます。

福岡アジア文化賞は1990年に設立した当初から、巴金、黒澤明などの著名人の受賞により、アジア各国の文化・芸術界の注目をあびました。その後も、アジアの国有かつ多様な文化の保存と創造に顕著な業績をあげた第一級の方々が表彰されるにつれて、福岡アジア文化賞はアジア地域での地位を高めてきました。このような重要な意義を持つ福岡アジア文化賞を創立した福岡市も、真珠のように輝かしい光を放っています。

私は、この賞を自分と結びつけて考えたことは一度もありませんでした。なぜなら、これまでの素晴らしい受賞者と比べると、私はただ真面目に創作に専念している一人の作家にすぎませんし、私の業績も取るに足りないものばかりだからです。ですから、こんな私が受賞するとの知らせを受けたとき、光栄に思うと同時に恥ずかしくもありました。

固有かつ多様なアジアの文化は、世界の文化の重要な部分を占めており、全人類の共有の財産でもあります。このアジアの文化を継承し、保存し、発展させ、そして創造していくことは、アジアの文化・芸術に携わる人々の神聖な責務なのです。私も今回の受賞を自分自身に対する鞭撻と捉え、これからもっと勇気と真心をもって、自分なりの貢献をしていきたいと思います。

最後になりますが、福岡アジア文化賞を設立された福岡市と、この賞を支えてこられた福岡市民の皆様、そして世界54か国・地域の約4,000名の推薦委員の方々、審査・選考委員会の委員の方々に心から敬意と感謝を表したいと思います。恭しくかつ謙虚な気持ちで、この栄誉をお受けいたします。

ありがとうございます。

学術研究賞受賞者によるスピーチ

この栄えある賞を授与してくださった福岡アジア文化賞委員会ならびに財団法人よかトピア記念国際財団に対し、私の心からの感謝を伝える言葉を見つけることができません。モンゴルの歌姫ナムジリ・ノロゥバンザトに続く2人目の受賞者、かつ学術研究賞としてはモンゴル初の受賞者に選んでいただき、本当にうれしく光栄に思います。

この学術研究賞は私一人ではなく、私の国、そしてモンゴル国の研究者達に対する栄誉です。私に大いなる刺激とエネルギーを与えてくれ、更なる若さと熱意を与えてくれました。モンゴルには「生きていれば必ず良いことがある」という言い伝えがありますが、その通りになりました。モンゴルと他の国、特に日本との関係における新時代の到来をこの目で見ることができたことを、ことのほかうれしく思います。

クビライ・カアンが13世紀の終わりに日本の南の島を侵略してから現代まで、何世紀もの間、両国の接触が深まることはありませんでした。しかし、モンゴルと日本の今の世代は、海と山を越えて2国間に強い友情の絆ができあがったことを誇りに思うことができるのです。

蔓延する物質主義、技術主義、商業主義、消費主義の弊害から人類を守ってくれるのは、真の人間文化です。文化は人々を近づけ、仲良くさせる最高の手段です。しかし、その使命を成功させるためには、国と国、つまり先進国と途上国、大国と小国が共に同じレベルで発展し、グローバル化の時代の中であっても、様々な文化が保証されなければなりません。先進国と途上国、特にアジア諸国に顕著な大きな格差を今すぐ撤廃するべきです。私たちは、「アジアの虎」と言われるように目覚ましい発展を遂げて先進国の仲間入りをした国という良い手本に習うことが出来るはずです。

モンゴルと日本はどちらもアジアに属しており、伝統文化や考え方には共通の価値観、類似点が多くあります。この2国に住む私たちは、先史時代からの歴史のルーツを2冊の偉大な本から得ています。モンゴルの「元朝秘史」と日本の「日本書記」です。どちらの本とも、国の由来を伝説の女神、モンゴルの場合はアラン・ゴア、日本は天照大神であると書いています。

モンゴルの「ツァガン・テルク(白い歴史)」という歴史をまとめた本と、日本の「17条の憲法」の中には全く同一の朝廷支配の哲学が謳われていますが、それは、仏教朝廷(国家)の「2つの力」、すなわち朝廷(国家)の力と宗教の力です。その時代にアジア全体に広がった仏教が、日本とモンゴル国を「ダルマの兄弟」つまり、仏教で結ばれた兄弟にしたのです。

最後に、私の妻、子ども、そして私から、福岡市長、財団法人よかトピア記念国際財団理事長、福岡アジア文化賞委員会の皆様、そして福岡市民の皆様に対し、この素晴らしい授賞式を開催してくださったことに心からの感謝を申し上げます。

ありがとうございました。

学術研究賞受賞者によるスピーチ

このたび、大変栄誉ある福岡アジア文化賞をいただきまして、誠に光栄に存じます。

以前、福岡で博多港開港100周年を記念しましたシンポジウムに参加させていただき、博多商人の歴史的な活動について、現在にまで連なる人脈の広さを伺い、強く印象に残っております。また、釜山の韓国海洋大学校の先生からは、福岡の都市の歴史とともにあった博多港と、海洋関係とともにあった釜山港という、港の成立の根拠と背景の違いを教えていただき、海をまたいで海港都市の機能が補完し合っていることを伺い強く印象に残りました。

私は、これまで香港をネットワークセンターとして、アジアのさまざまな地域を移動しながら、誰もが共有し、共通の場としての、さらに共生の場としての海と海域について、歴史的な視点に注目しながら研究をしてまいりましたが、その中でもとりわけ開港都市の役割に注目して海と海域を研究してきました。

近年、日本の外で仕事をすることが多くなり、日本を離れようと考えておりましたそのときに、今回の名誉ある賞をいただくことになりました。これは、もっと日本でしっかり仕事をするようにというご指摘をいただいたと感じておりますとともに、アジアへ向けて、福岡・九州・沖縄を中心に、アジアの地域間の研究交流のネットワークをより積極的に作ること、という大きな課題をいただいたように思います。

これからのアジア研究の課題は、人口が半数以上居住しており、ひとの移動、ものの取引、人口・環境問題の中心として、開港都市とその相互の交流がより一層重要な役割をすることになると思います。バルト海都市連合のように、東シナ海、南シナ海をまたぐ環シナ海の沿海都市連合の中で、福岡が今後一層重要な役割を果たされることと確信しております。

以上を申し上げまして、受賞のお礼とごあいさつとさせていただきます。

芸術・文化賞受賞者によるスピーチ

2006年(第17回)福岡アジア文化賞芸術・文化賞に、私を選んでくださった福岡市と財団法人よかトピア記念国際財団、そして福岡アジア文化賞委員会に心から感謝いたします。

私は文化を専門にして、人生のほとんどを伝統文化の収集や、保存、普及に費やしてきました。大学卒業後の1972年、アジアの芸術、音楽、文学などの伝統遺産は、とても豊かで、先人の知恵や貴重な宝に溢れていることに気付きました。大学で社会哲学を専攻した私は、パキスタンのような国にとっては、文化こそが最も有効な社会発展の手段であり、また、道徳面においても真の影響力を持つことができると確信しました。その時に、この貴重な遺産の保存に自分の人生を捧げることを決意したのです。

パキスタンは釈迦が生きていた時代から、シルクロードによって日本との文化交流を行ってきました。パキスタンと福岡との共通点がひとつあります。アジアの最も西に位置するパキスタンが、東洋と西洋の文化の十字路であるように、アジアの最も東に位置する福岡は、アジアの玄関口であるということです。東にある福岡と、西にあるパキスタンは、何世紀にも渡りアジア地域の文化交流に重要な役割を果たしてきました。今日、この東と西とが、まるで長い間離ればなれになっていた兄弟が再開したかのように、ここ福岡での授賞式の席に集い、類似した考えや共通の目標を共に分かち合うことができました。

アジアは、活力や色彩、そして文化に満ち溢れた多様な伝統が生き続ける地域として知られています。この多様性が、地域ごとの思想や文化伝統の相違の源であり、また、新たな創造性の源でもあるのです。そして何よりも、この多様性こそが、私たちが学び、誇りとし、そして守っていくべきものなのです。この貴重な遺産である多様性は、伝統に基づいた斬新な考え方や革新の中にも息づいています。これこそが、まさに福岡アジア文化賞の本当の目的なのだと思います。福岡アジア文化賞は、アジアの遺産に対して賞を贈っているのです。つまり福岡は、私に賞を与えてくれることによって、パキスタンの文化遺産、ひいては光輝くアジアの文化遺産がもつ豊かな伝統と生きる遺産に賞を与えてくれたのだと思います。

最後になりますが、私の家族を代表して、本日ご出席いただいたすべての皆様にお礼を申し上げます。福岡アジア文化賞委員会の皆様、そして、美しい街、福岡の皆様、本当にありがとうございました。

2006年(第17回)福岡アジア文化賞祝賀会

開催日時
2006年9月14日(木)/20:00~21:30
会場
福岡サンパレス パレスルーム

受賞者夫妻及び同行者をお迎えして、約200名の参加を得て行われた。

主催者を代表して川合辰雄財団法人よかトピア記念国際財団理事長による挨拶が行われ、続いて来賓を代表してカムラン・ニアズ在日パキスタン大使による発声で乾杯が行われた。会場では交歓の輪が広がり、和やかな雰囲気のもと参加者の懇親が図られた。

また、歓談の合間には、モンゴルの人気歌手グループ「カメルトン」が透明感があふれる歌声を披露し、会場に華を添えた。

最後に、山崎広太郎福岡市長による閉宴の挨拶が行われ、盛会のうちに終了した。

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各種イベントレポート

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