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2008年授賞式レポート

2008年(第19回)福岡アジア文化賞授賞式

開催日時
2008年9月10日(水)/18:00~19:40(途中休憩あり)
会場
アクロス福岡シンフォニーホール
司会
アグネス・チャン
参加者
1,100人

秋篠宮同妃両殿下の御臨席を賜り、多くの市民や留学生、文化関係者など1,100名が見守る中、アグネス・チャンさんの司会で、式典が進行しました。

第1部では、映像で受賞者の業績を紹介した後、会場から盛大な拍手に迎えられ受賞者が入場。主催者挨拶、秋篠宮殿下のお言葉、選考経過報告が行われ、各受賞者に賞状とメダルが贈呈されました。続いて各受賞者がスピーチを行い、受賞の喜びやアジアの文化に対する思い、市民へのメッセージなどを語りました。最後に、福岡インターナショナルスクールの生徒たちから花束が手渡され、会場は再び大きな拍手につつまれました。また、エスコート役として、筑紫女学園大学アジア文化学科の学生たちが和服姿で式典に華を添えました。

第2部では、和やかな雰囲気の中で4人の受賞者とアグネス・チャンさんとの対談が行われました。続いて、市民を代表して、福岡大学4年の谷口由華さんから受賞者へのお祝いの言葉。最後は、芸術・文化賞受賞者フォリダ・パルビーン氏によるバウルソングの演奏で、幕を閉じました。

秋篠宮殿下のお言葉

福岡アジア文化賞は、アジアにおける文化の保存と創造に貢献することを目的とするものであり、その意義は大変重要でかけがえのないものであります。本日受賞される方々の業績は、アジアの文化に対する貢献のみならず、世界に対してその意義を広く示し、人類社会全体を豊かにするものであるといえましょう。

大賞/アン・ホイ氏による受賞者スピーチ

「多様な文化が混ざり合う香港には異文化に対する大変な懐の深さがあります。また、香港の人々は「今」がすべてであり、今できる仕事、今できる遊びを一生懸命やります。さらに、香港の人たちは心の奥の深いところでは賢明で、ものを見る目をちゃんと持っているように私には思えます。スローガンやきれいごとを良しとせず、実用的で品位あるものに価値を置く、香港育ちの私は、こうした香港気質を受け継いでいます。私は自分のことを「芸術家」などと思ったことはありません。香港の人々の喜びや苦しみを懸命に描こうとしている、一介の映画製作者に過ぎません。このたび栄えある賞をいただきましたが、香港という場所そのものが育み、与えてくれた、気取らない文化に感謝しています。」

「私の母は日本人です。成人して以来、日本で仕事をすることがよくあり、日本人の献身的な仕事ぶり、仕事に対する姿勢の素晴らしさを知りました。仕事のやり方も非常に組織的・計画的で、長い目で見ると私たちのやり方よりも効率的でした。 20年ほど前に別府で『客途秋恨』を撮った際、無名の小さな外国の撮影班だったにもかかわらず、別府市長さん自らがサポートのためにと、1ヶ月の間、コーディネーターの方を私たちのところに差し向けて下さいました。20年の月日を隔ててはいますが、当時の別府市長さんの文化活動に対するご厚意、そしてコーディネーターの方の心遣いに感謝申し上げたいと思います。」

学術研究賞/サヴィトリ・グナセーカラ氏による受賞者スピーチ

仏教の思想や教えでは、富と繁栄には社会的責任が伴うこと、共同体の幸福のためにこれら資源を使う責任を強く説いています。

これはグローバリゼーションと経済開発がもたらす利益を公平に分配するための重要な価値体系です。

今日のグローバリゼーションは、何かいかにも新しいもののように語られますが、アジア大陸を貫いていた古のシルクロードも、今日と同様に域内の商業や文化をつなぎ、アジア諸国間のみならず、アジア大陸を越えた文化の共有を、何世紀も前にもたらしていました。いわゆるタニマチ文化(学術振興への財政支援)と物質的進歩の間のつながりを重んじる価値体系は、文化と伝統の最も良い側面を維持するという役割を果たすだけでなく、平和と発展への道にも通じうるものです。

もう何世代も前のことですが、世界の指導者たちは、日本の和解と戦後の復興を後押ししました。繁栄と発展とは、平和がもたらす非常に大きな配当だということを、今の日本の姿は世界に教えています。

このように、平和や発展に向けた文化交流の大切さを認識し、息の長い取り組みを続けることは、アジアという素晴らしい地域が持つ時代を越えた価値を一層高めることでしょう。

学術研究賞/シャムスル・アムリ・バハルディーン氏による受賞者スピーチ

マレーシアはわずか一世代のうちに近代化と産業化を成し遂げようとしている国です。そんな国で、私が一社会科学者として立ち向かう課題は、かつてないほどにますます厳しく、難しいものになりつつあります。社会科学の研究活動は、認識知(cognitive knowledge)に基づくもの。それらが持つインパクトははっきりしたものではなく、より広範で深遠なものであり、社会機能のダイナミックス(力学)の中にゆっくりと吸収され、染み込んでいくものであるため、ある程度の時間をかけて初めて認知されうるものです。

今後も学術文化活動を通じて、「人類のため、人類の進歩のための人文社会科学」の意義と地位を高めていきます。

芸術・文化賞/フォリダ・パルビーン氏による受賞者スピーチ

ラロン・ソングに出合って感動し、ラロンの歌と哲学を知れば知 るほど、より多くの新たな悟りが生まれてきました。私は、シンプルさ というのは、人類愛を現実に表現したものなのだと思うようになりま した。人間の完全な自由と幸福は、シンプルでゆったりとした生き方の中にあります。

私は自分のことを単なるラロン・ソング歌手で はなく、ラロン研究者であり、ラロンの思想を伝える活動家でもあると思っています。戦争や衝突が増えつつあるこの世界で、ラロン・ソングを通して人々にメッセージと人類愛を伝え、広めています。

2008年(第19回)福岡アジア文化賞祝賀会

授賞式を終え少しリラックスした中での祝賀会。ジェニー・チョック香港経済貿易代表部首席代表やバングラデシュのマジブル・ラーマン公使など各国の代表も集い、地元福岡の参席者とともに、受賞者の栄誉を称えました。

福岡アジア文化賞年次報告書ダウンロード

福岡アジア文化賞授賞式の様子や各種イベントのレポートを含めた2008年度の事業報告書を、PDF形式でダウンロードいただけます。

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各種イベントレポート

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