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2011年その他イベントレポート

2011年大賞受賞/アン・チュリアン氏

アン・チュリアン氏による文化サロン
開催日時
2011年9月17日(土)/16:00~18:00
会場
九州大学
参加
東南アジア学会員、研究者など約10人

アン・チュリアン氏の文化サロンは、東南アジア学会の九州例会と共同開催で開かれ、立命館アジア太平洋大学の笹川秀夫准教授や研究者など約10人が参加しました。

“自分自身をつくりあげること。そのひとつ、ひとつが国の力に”

アン氏は、遺跡に代表される有形の文化財と、地域住民の宗教文化という無形文化財との結びつきについて話され、「研究者が扱う“真”の歴史だけが遺跡にまつわる歴史として重要なのではない。むしろ地域住民にとっての遺跡、歴史を検討することこそが重要」だと語りました。

また、現代の儀礼やその建物を遺跡と対比しつつ論じ、考古学者、建築家、美術史家が遺跡を扱う場合、過去の説明に終始するのではなく、現在のカンボジアで何が起きているかを知ることも、重要であると力説されました。

続けて、精霊信仰ネアク・タに関する儀礼が詳細に示され、稲作と儀礼の結びつきの説明とともに、ポル・ポト時代の断絶、近年の都市化や社会の変化によって、こうした儀礼が消滅しつつあることにも言及されました。

続いて参加者と、遺跡や文化財、観光などについて、近年のカンボジア政府や官公庁が抱く考えと、地域住民にとっての文化の違い、アイデンティティ形成の源であった稲作の将来などについて熱い議論が重ねられました。

地域に根付く無形文化について語るアン氏
地域に根付く無形文化について語るアン氏
カンボジアが抱える問題についての議論
カンボジアが抱える問題についての議論
参加者との熱い議論が続きます
参加者との熱い議論が続きます

2011年学術研究賞受賞/趙 東 一(チョ・ドンイル)氏

趙 東 一(チョ・ドンイル)氏による文化サロン
開催日時
2011年9月16日(金)/18:00~20:00
会場
九州大学韓国研究センター
参加
韓国研究者など約15人

市民フォーラムでもご登壇いただいた松原教授や稲葉教授をはじめ、韓国研究者が参加。「学問人生40年」と題して活発な意見交換が行われました。

“東アジア学問共同体の設立を”

学問一筋の人生を面白おかしく語りつつ、その40年におよぶ研究生活で到達した見解が披露されました。参加した次世代アジア研究者に対しては、改めて異質性ではなく同質性を重視して、東アジア全体のコミュニケーション手段である通文を共同言語とする「東アジア学問共同体」の設立が提案されました。

そんな趙氏の唯一の息抜きは、教え子たちを帯同した登山。頂上から下界を眺める醍醐味は、マクロな視点で文化現象を研究する氏のユニークな発想へとつながっているようです。

ホワイトボードを使って持論を展開
ホワイトボードを使って持論を展開
東アジア学問共同体の重要性を説くチョ氏
東アジア学問共同体の重要性を説くチョ氏
参加者との熱い議論
参加者との熱い議論

2011年芸術・文化賞受賞/ニールズ・グッチョウ氏

ニールズ・グッチョウ氏による文化サロン
開催日
2011年9月16日(金)/00:00~00:00
会場
福岡市赤煉瓦文化館
参加
建築および街づくり関係者、建築を専門とする学生など約30人

ニールズ・グッチョウ氏の文化サロンは、明治時代に竣工した日本を代表する建造物である福岡市赤煉瓦文化館を舞台に、市民フォーラムでも登壇された、稲葉信子氏、波多野純氏をお招きして開催されました。

“人々の日々の営みから自然発生的に生まれる都市空間”

日本建築の先生方の本をたくさん読んだからこそ今の私がある、と話始めたグッチョウ氏。「折れ曲がり」や「隅かけ」など日本の技術にもあかるく、空間、広場についても大きな影響を受けたそう。

また、ネパールで今も生活の一部としてある多くの儀式や祭りの例をあげながら「都市空間とは、人類の活動のなかから自然発生的に小さな場所からできている。こうした活動の積み重ねが、その国・地域独特の都市景観をつくっていた。現代は、文化の概念を常に問い直すことこそが求められる。しれが、我々にできる仕事だと思う。また、そうすることにより、都市の発達・創造への実現に導くことができるのである。保存とは何かと問いかける出発点にもなる。」との見解を示されました。

世界的、歴史的に重要な文化財であり建造物を、どう残していくのか、世界遺産認定の経緯などを議題に、サロン終了後も、エキサイティングなやりとりが続きました。

グッチョウ氏文化サロン会場/赤煉瓦文化館
グッチョウ氏文化サロン会場/赤煉瓦文化館
文化サロンでのグッチョウ氏
文化サロンでのグッチョウ氏
フォーラムでのディスカッション(グッチョウ氏)
フォーラムでのディスカッション(グッチョウ氏)

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