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2013年学校訪問レポート

2013年大賞受賞/中村 哲氏

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テーマ
「アフガニスタンに生命の水を~国際医療協力の30年~」
第1回目
2013年9月2日(月)/11:10~15:55 筑紫女学園中学・高等学校
第2回目
2013年9月11日(水)/10:00~11:40 西南学院高等学校
第3回目
2013年9月13日(金)/14:40~17:00 福岡県立福岡高等学校

2013年度、大賞受賞の中村哲さんが、福岡アジア文化賞公式イベントの一環として、福岡市内にある筑紫女学園中学・高等学校、西南学院高等学校、福岡県立福岡高等学校をそれぞれ訪問しました。

“悩んで、悩んで、道を切り拓く”

school1-middle1.jpgそれぞれの学校にて基調講演を行った中村さん。現地での活動をスライドを交えながら紹介するとともに、学生時代の思い出や、今の道に進んだきっかけなどをお話しされました。

世界中が多様性を許さない、画一化の方向に向っていることに警鐘をならし、多様性を認めることが大切と訴えました。水の問題は自然と人間の関係の中で生れる問題であり、アフガニスタンで起こっていることは、日本でも起きる可能性があると指摘しました。

続いてペシャワール会の30年の活動を振り返り、用水路が全線開通したとき、これで生きていけると農民たちが大喜びしたエピソードを紹介。苦難続きなのに現地の人々は暗い顔を見せず、むしろ、日本人の方が暗い顔をしていると語り、「人間は金や地位や仕事や楽しみ・・・持てば持つほど暗くなるのかもしれません。都市空間は、人間が何でも意のままにできると錯覚させます。人間と自然の関係を真剣に見つめ、根本的な生き方を問い直す時期が迫っているのではないでしょうか」と、生徒たちに問いかけました。

その後行われた懇談会でも、活発な意見交換や哲さんへの質問が飛び交うなど、生徒たちにとって大きな刺激になったようです。 哲さんの生き方や人生経験を直接聞くことができたことは、異なる文化や歴史、様々な生き方を学ぶ、いい機会になったことでしょう。

図書館へ著書の贈呈(筑紫女学園高校)
図書館へ著書の贈呈(筑紫女学園高校)
生徒からのお祝いの言葉(西南学院高校)
生徒からのお祝いの言葉(西南学院高校)
後輩に熱く語りかける哲氏(福岡高校)
後輩に熱く語りかける哲氏(福岡高校)

2013年学術研究賞受賞/テッサ・モーリス=スズキ氏

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開催日時
2013年9月13日(金)/14:30~17:30
会場
県立修猷館高等学校

2013年度、学術研究賞受賞のテッサ・モーリス=スズキさんが、福岡アジア文化賞公式イベントの一環として、福岡市内にある修猷館高等学校を訪問しました。

“何になりたいのか、何をやりたいのか・・・模索する日々”

school2-middle1.jpg大学を卒業するまで、私は東アジアに関する知識をほとんど持ちませんでしたし、そんなに関心も持っていたわけではありません。学部生のころ専攻したのも、ロシア語とヨーロッパの歴史でした。東アジア、特に日本と出会ったのは、ある意味でとても偶然なできごとでした。

多分、ほとんどの若い人たちは同じだと思うのですが、私は大学を卒業する頃、何をやりたいのか、何になりたいのかという点について、それほど明確な意思をもっていたわけではありません。公務員になり、ロンドンにある環境省に就職しましたが、1年間勤務してみたら、自分は官僚向きではないとわかりました。

もっと世界を見てみたいと思っていたのです。それで環境省を退職し、1973年に日本で英語教師の仕事を見つけました。それが日本に来た最初の時です。日本語も全くできまかったし、日本のことをほとんど何も知りませんでした。その時は一年半ぐらい日本に住んだのですが、素晴らしい人々にめぐり合う機会がありました。その一年半の日本滞在で与えられた刺激が非常に大きかったので、日本や東アジア隣国の関係を、本格的に勉強したいと強く思うようになりました。

“タンポポの綿毛(わたげ)のように”

日本の草の根運動はタンポポに似ている、と私は考えます。タンポポの綿毛(わたげ)のように小さくて、様々な場所に飛び散り、そして不毛の土地でも芽を出します。また、タンポポと同じく、それらはしばしば短命です。

しかし、消滅したからといって、それは失敗したというわけではありません。そのメンバーが散り散りになる時、彼ら彼女らの思想と経験もタンポポの種のように、また一緒に移動していくのです。各地にたくさんある、タンポポのように希望の種を広げる草の根運動。これを受け継いでほしいと願っていますと、若者たちに未来が託されました。

自身の経験を伝えるテッサ氏
自身の経験を伝えるテッサ氏
生徒からの花束贈呈
生徒からの花束贈呈
教室の後ろから授業参観
教室の後ろから授業参観

2013年芸術・文化賞受賞/ナリニ・マラニ氏

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開催日時
2012年9月13日(金)/13:00~16:00
会場
福岡市立長尾中学校

2013年度、芸術・文化賞受賞のナリニ・マラニさんが、福岡アジア文化賞公式イベントの一環として、福岡市内にある長尾中学校を訪問しました。

“頭で理解するのではなく、心で感じて”

school3-middle1.jpg生徒が作った紙のアーチを通り、マラニ氏が全校生徒の拍手に迎えられて入場。初来日のとき、どうしても見たかったのが、鎌倉の大仏と習字。「漢字は非常に人間的なもの」ということで、40歳になってから作品に取り入れ、署名のように扱っているとのこと。

インド国旗の説明に続いて、自分の作品について映像を見せながら、次々と解説。スライドやビデオクリップで見る作品は、どれも強いメッセージが込められていて、鮮やかな印象を心に残します。ナリニ氏は「私の作品を難しいと思う人は、とにかく感じてほしいと思います」とアピール。

閉会後、マラニ氏は、校長室で美術部3年生の生徒が共同制作した絵と鉛筆デッサンを見てアドバイス。にこやかに優しい口調で、良い点がさらに良くなるように褒めながら助言する指導に、やや緊張気味だった生徒たちも、次第に気持ちがほぐれた様子でした。

生徒からの歓迎を受け入場するナリニさん
生徒からの歓迎を受け入場するナリニさん
花束贈呈を受けるナリニさん
花束贈呈を受けるナリニさん
生徒の作品を見ながらアドバイスをおくるナリニさん
生徒の作品を見ながらアドバイスをおくるナリニさん

2013年芸術・文化賞受賞/アピチャッポン・ウィーラセタクン氏

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開催日時
2012年9月13日(金)/09:30~16:30
会場
福岡女学院大学、油山市民の森、福岡市街地、福岡女学院大学天神サテライト

本年度、芸術・文化賞受賞のアピチャッポン・ウィーラセタクンさんが、福岡アジア文化賞公式イベントの一環として、福岡女学院大学を訪問しました。

“目で見たもの、耳で聞いた音、思い浮かんだ情景やことば・・・
それらは、すべて自分のオリジナル作品”

school4-middle1.jpg今回のワークショップの参加者は合計20名。参加者は、午前は緑豊かな油山の自然の中で、午後は天神の都市環境の中で、目で見たもの、耳を澄まして聞こえた音、そのとき思い浮かんだ情景や物語、文章や単語などをメモしました。散策後のミーティングでは参加者が見かけた「レストランにいた、龍の刺青を入れた男」や「コーヒーショップで見かけた、お洒落なおばあちゃん」について、質問を繰り返しながら人物像を創り上げるという監督の手法を体験。

その後は皆で集めたキーワードを使って自由に物語を紡ぎだす試みに挑戦しました。出来上がった破天荒な物語に「みんなでひどい物語をつくってしまったけど、ホントにオリジナルな物語だったよね」と笑う監督。

「この話がいい話なのか、悪い話なのかと先に考えてしまうと、その時点で自分の想像力を邪魔してしまう。どんな創作活動でも自分の想像力を優先することが大事。」と創作活動のポイントをアドバイスしてワークショップを締めくくりました。

油山の森で自由に散策しながら想像力を膨らませます
油山の森で自由に散策しながら想像力を膨らませます
想像力が大切と創作活動のポイントをアドバイス
想像力が大切と創作活動のポイントをアドバイス
散策後、持ち寄ったキーワードでストーリーを創作
散策後、持ち寄ったキーワードでストーリーを創作

福岡アジア文化賞年次報告書ダウンロード

福岡アジア文化賞授賞式の様子や各種イベントのレポートを含めた2013年度の事業報告書を、PDF形式でダウンロードいただけます。

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各種イベントレポート

2013年度の学校訪問以外のイベントレポートをご覧いただけます。