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アジュマルディ・アズラ氏、授賞伝達式 in ジャカルタ

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8月12日(火)、インドネシアのジャカルタにあるプルマンホテルにて、今年の学術研究賞受賞者、アジュマルディ・アズラさんへの授賞伝達式を行いました。

来賓として、同じインドネシアのイスラーム関連の歴史学者タウフィック・アブドゥラさん(1991年福岡アジア文化賞学術研究賞授賞)も駆けつけてくださいました。

アジュマルディ・アズラさん受賞あいさつ

IMG_9564.JPG今回の受賞は私自身のみならず、インドネシアにとっても非常に意味のあるものです。1990年にはじまり、今年で25回目を迎えるこの賞を受賞した6人目のインドネシア人であることも私にとって非常に名誉あることです。今回足をお運びいただいたタウフィック・アブドゥラ氏はじめとする5名に続き、私を選んでくださった福岡アジア文化賞委員会のみなさまにも多大なる感謝の意を表したいと思います。

また、私をノミネートしてくださった皆さん、これまで関わった大学関係者、研究仲間、ASEAN日本若者交流プログラム、トヨタ財団、日本財団、国際交流基金、笹川平和財団のみなさまにもお礼を申し上げたいと思います。そして最後に私の家族たち。彼らこそが、留守がちな夫・父に愚痴もいわず、国内外での活動にとびまわる私のサポートをしてくれました。私をめいっぱいサポートしてくれた多くの人々にもお礼を申し上げたいと思います。彼らのおかげで私はこうしてインドネシアや日本、さらにそれ以上の利益のために交流し、貢献することができているのです。

私が最初に日本に直接かかわったのは、1979年開催された、東南アジア若者交換プログラム「にっぽん丸プログラム」に参加した時です。そのプログラムにおいて、参加者は奈良、京都、富士山、東京など歴史のある場所をめぐりました。また、一般家庭へのホームステイも行い、そのときに生まれてはじめて寿司を食べました。また、当時世界一速かった新幹線にも初めて乗りました。日本の道徳をじかに感じたことも印象的です。お互いに敬意を表することや、環境を清潔に保つこと、なにもかもが整然とし、時間を守り、規律ただしく、きちんとしてこまかい。あらゆるルール、約束についてその調子でしたし、本を読むことを好むなどなど。そのような相違があることからして、日本が先進国になったことは不思議なことではありません。その後韓国や中国も世界経済で優勢になり、主導権を握るようになった最近までも、日本は世界的に経済の巨人でありつづけています。

長いこと日本の政治経済文化と宗教を見てきた私ですが、インドネシアとその他のイスラム世界に対し、日本は顕著な戦略地政学的重要性はないと考えています。政治イデオロギーや宗教に関する利害関係もありません。科学技術において、あらゆる商品や技術を輸出する国である日本は、特に、中東の紛争地のようなイスラム世界での平和を構築するためにもっと貢献するべきであると思います。日本の外交政策の性質からして、日本という国は、他国から非常に敬われていると思います。そのため、中東の紛争や戦争国における平和の大切な要素になりうると思うのです。

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日本とインドネシアの関係については、様々な見方があると思います。まず、45年世代や66年世代の人間にとっては、たしかに心理的に不愉快な共通の記憶もあるでしょう。しかしながら、日本の占領期には、インドネシアのムスリムにとっては、イスラムの指導者とナショナリストの代表の話し合いの機会をつくり、独立準備調査会、独立準備委員会を通じた独立の準備をしむけたことなど、良い影響もあったと思っています。私は、そんな友好関係を強化するためにも、インドネシア国立イスラム大学の学長として、飯村大使を通じ、日本政府に対して「日本ーインドネシア友好記念」を実施するよう提案しました。

それがどういったものかというと、私が提案したのは、ジャカルタインドネシア国立イスラム大学の医学・健康学部キャンパスおよび教育病院の建築です。このプロジェクトは2005年に日本とインドネシアの両政府の合意を受け、唯一の教育プロジェクトとなりました。ジャカルタのインドネシア国立イスラム大学プロジェクトは事務所と大学の建物、研究所とその器材、学生寮建設および、三十名の若い教員が日本のあらゆる大学で博士課程をとることを含むものでした。JICAの援助もあり、ジャカルタのインドネシア国立イスラム大学医学・健康学部キャンパスは現在、施設の面で、特に研究所に関してはインドネシアで最高基準を誇っています。また、教員は医学や健康科学において博士号を持つ人材を揃えています。

私は、人類や国家、民族間における相互理解や、お互いに尊敬し合うこと、信じ合うことを実現する方法は多くはありませんが、対話はその中でも一番効果的なもののひとつであると信じています。対話こそが調和や平和において大切な前提となると思っています。人類や国家間の緊張や紛争がいまだに増えている中、対話は絶対に必要です。その意味において、2003年、私はジャカルタのインドネシア国立イスラム大学学長として、同校イスラム社会研究センター理事のDrJamhariMakrufと共に、飯村豊大使に日本へのイスラム寄宿塾の若いリーダーたちを日本に送るプログラムを提案しました。この提案は喜んで受け入れられ、2004年から今年にいたるまですでに10回、一度も途切れることなく毎年行われています。

このプログラムには非常に多くの利点があります。日本とその社会、文化を正しく見るというだけでなく、若いイスラム学者が寄宿塾、イスラム教徒、インドネシアの国と民族にたいしてよりよくふるまうための自己反省を促すことになるからです。例えば、日本大使官邸でプログラム参加者を集めた断食明けの食事会があるたびに「日本人は規律正しく、清潔で勤勉なので、我々よりもイスラム的である。われわれはイスラムを通してそれらを学んでいるが、それを実施することはまだできていないのです。

 

アジュマルディ・アズラ氏による市民フォーラムのご案内

タイトル
民主化し発展するインドネシア~日本・欧米・イスラーム世界を結ぶ絆~
開催日時
2014年9月21日(日)/17:00~19:00(開場16:30)
会場
アクロス福岡地下2Fイベントホール

学術研究賞受賞者、アジュマルディ・アズラ氏をお迎えし、アクロス福岡にて市民フォーラムを行います。入場は無料です。みなさまからのお申込みをお待ちしています。

 

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