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TAP(天神アピチャッポンプロジェクト)報告レポート!

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2013年芸術・文化賞受賞のタイの映画作家、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督と、福岡の映画人との中長期的な交流をサポートしていくプロジェクト「TAP」(天神アピチャッポンプロジェクト、通称:タップ)。

2016年1月の『トロピカル・マラディ』上映会に引き続き、4月15日(金)~17日(日)には、アピチャッポン監督を福岡に招いてのショートフィルム共同制作および上映会を開催いたしました。

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17日(日)の完成作品上映会には予想を上回るお客さんが来場され、立見まで出る盛況ぶり。なかには、東京在住の女優さんや、アピチャッポン監督の作品を修士論文にまとめたという関西の学生さんまで!全国から多数のみなさんにお越しいただきました。

ワークショップは、上映日当日を含めた、たったの3日間という過密スケジュールでしたが、アピチャッポン監督と参加したクリエイターのおかげで、とても素敵な作品が出来上がりました。今回の作品は、9月に開催されるアジア・フォーカス福岡国際映画祭でも上映が決定しましたので、見逃した方は是非そちらを楽しみに待っていてください。

 

“作品のテーマづくり”

ワークショップ初日は、映画作りの哲学や手法を、アピチャッポン監督が直々にレクチャー。参加したクリエイターたちも世界で活躍する映画監督の一言一句を聞き逃すまいと耳を傾けます。その後早速、今回制作する作品のテーマづくりにとりかかるクリエイターたち。今回は、事前に「天神」からイメージする素材を持ち寄るという宿題が課されていたので、クリエイター全員で、各々が準備した映像を確認して、作品のテーマを決定しました。

  • Flicker(チカチカするもの)
  • Awake(目覚め)
  • Water(水)

 

今回の作品のテーマは以上の3つ。さあ、これらが「天神」という街でどう昇華されていくのでしょうか?

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“互いに刺激し合うクリエイティブ魂”

以上3つのテーマをもとに、アニメーションチーム、映像チームなど各班に分かれて作業開始。普段目にすることがない畑違いの制作風景に、お互い興味津々の参加者たち。

アニメーションチームは、近くの100円ショップで買い込んだ様々なアイテムを元にオリジナルな手法を模索。お玉や虫取り網、ストローなど、およそアニメーション制作とは関係のないアイテムを使った試行錯誤を重ねます。

また、通常のアニメーション制作では、下の作画をもとに動きをつけた新しい絵を1枚づつ上に積み重ねていくといった手法が一般的なのですが、参加したあるアニメーターはまったく逆の手法にチャレンジ。複数の紙を重ねた上に、一滴の絵の具を垂らし、それが下の紙に滲んでいく様子を利用した、オリジナルの手法でアニメーションをつくっていきました。(本人曰く、初の試み)

初めて見る制作風景に、アピチャッポン監督も興味深々で覗き込むなど、お互いインスピレーションを刺激し合う様子も見られました。

その後、アピチャッポン監督はふらりと那珂川へ。何かを感じ取ったのか「であい橋」でサラサラとスケッチを始めました。実際に外へ出て素材探しを行うという宿題も課されていた今回のワークショップ。アピチャッポン監督も、天神の街へ出て、目にしたもの感じたものを切り取ったようです。

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“クリエイター同士の新たな絆”

ショートフィルム制作は、アピチャッポン監督のアドバイスのもと、連日夜遅くまで行われ、ワークショップ最終日の3日目、15:00スタートの上映会直前ギリギリまで続きました。ワークショップ完成作品の上映前には、あの「であい橋」でのスケッチを元にしたアピチャッポン監督の作品がサプライズ上映!会場を沸かせました。(もちろん世界初公開)

今回完成した作品は、『光りの記憶(Memory of Light)』というタイトルがつけられ、約12分の作品に仕上がりました。今回見逃した方は、是非、9月に行われるアジアフォーカス福岡国際映画祭にてご覧ください。

上映会を終えた翌々日には帰国の途についたアピチャッポン監督。といっても行先はタイではなくポルトガル。数日間の特別講義のため、リスボンにある大学へと向かわれました。

空港には、3日間をともに過ごしたクリエイターのみなさまがお見送りに。それまで面識のない方々が短期間ではありますが、苦楽を共にし、ひとつの作品を創ったことで新たな絆も芽生えたようです。「次の作品はどうする~?」と早速次回のコラボ話に華が咲いていたのはとても嬉しい光景でした。今後どのような展開が広がっていくのか、楽しみです!

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【ワークショップ参加メンバー】

  • アピチャッポン・ウィーラセタクン(映像作家)
  • 水江未来(アニメーション作家)
  • 幸洋子(アニメーション作家)
  • 橘剛史(映像作家)
  • 福岡のクリエイター11名

 

今回の作品は、アピチャッポン監督のアドバイスの元、再編集され、9月に開催予定のアジア・フォーカス福岡国際映画祭でも上映いたします。見逃した方は是非そちらを楽しみに待っていてください。

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