タン・ミン・ウー/ 2015年(第26回)大賞

画像:タン・ミン・ウー/ 2015年(第26回)大賞

福岡アジア文化賞の大賞を受賞したことは、私の最も誇り高い功績の一つです。私がこの賞を受賞した2015年は、ミャンマーが数十年に及ぶ武力紛争と軍事独裁政権から脱却し、国際社会への復帰を果たそうと懸命に努力している時期でした。

大統領のアドバイザーとして、新しい和平プロセスに取り組む政府チームの一員として、そして、私が設立した2つの新しい非政府組織、ヤンゴン・ヘリテージ財団(Yangon Heritage Trust)とウ・タント・ハウス(U Thant House)の代表として、私は様々な形で自分の役割を果たそうとしていました。それは、信じられないほどエキサイティングな時間であり、また、多忙でもあり、時には苛立たしい時間でした。 

アジアで最も偉大な賞である福岡アジア文化賞の大賞は、過去に多くの輝かしい著名な人々が受賞しています。私は、福岡アジア文化賞の大賞を受賞したことで、これまで以上に仕事に打ち込み、ミャンマーとアジア地域とのつながりについてより深く探求するようになり、その後2019年に出版した新著 The Hidden History of Burma: Race、 Capitalism、 and the Crisis of Democracy in the 21st Century(ビルマの隠された歴史―人種、資本主義と21世紀の民主主義危機)の執筆にとり掛かることとなります。

福岡アジア文化賞は、私が永年憧れてきた文化と人々の国・日本との関係をより深いものとし、福岡市との新たな価値あるつながりを築きました。私は、美しく、そして躍動感あふれる街・福岡市で過ごした時間をこれからもずっと大切にしていきます。

30周年という記念すべき節目の年を迎え、アジアの固有かつ多様な文化の保存と創造に貢献する個人または団体を顕彰する福岡アジア文化賞の使命は、これまで以上に重要なものとなっていくでしょう。
 

 

 

 

 

 

 

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