アジアで最も有名な福岡アジア文化賞を受賞したことは大変栄誉あることでした。
私はこれまでにも自国で栄誉ある賞を受賞するという幸運に恵まれてきましたが、福岡アジア文化賞の受賞は、私がこれまでに行ってきた仕事や活動により深い意味や価値を与えてくれました。地域社会のために行ってきた活動に加え、芸術・文化に貢献してきた女性であるという私への評価は、私個人にとっても、祖国パキスタンにとっても大変大きな誇りとなりました。私が2020年に世界的に有名なジェーン・ドリュー賞(Jane Drew Prize)を受賞できたのは、2016年に福岡アジア文化賞を受賞することができたお陰だと思っています。
福岡アジア文化賞は、社会貢献や芸術の分野などにおいて、すばらしい功績を挙げた方々が受賞者として名を連ねている賞です。歴代受賞者と福岡アジア文化賞委員会の関係者が毎年オンライン会議で集まり、歴代受賞者が今どのような活動を行っているのか、自分たちの国にどのような影響を与えているのかを知ることができれば、とても素晴らしいことだと思います。歴代受賞者がお互いの経験に触れ、学びあうことで、自身の活動に対するモチベーションを高めることができるでしょう。また、このような集いが、デジタルメディアを通じて歴代受賞者全員が参加できる授賞式と同時に開催されれば、歴代受賞者と福岡アジア文化賞委員会関係者との間に、向こう何年にも渡る素晴らしい絆を作り出すことができるでしょう。新型コロナウイルス感染症が拡大する中、私たち歴代受賞者はお互いに理解を深め、この難局を乗り越え、多くの国に傷跡を残した新型コロナウイルス感染症に打ち勝つ方法を探し出していかなければなりません。
夫のスハイル・ザヒール・ラリと共に福岡市へ招待された際に皆さんから受けた温かいおもてなしと愛情に心から感謝申し上げます。学校訪問の際の目をキラキラと輝かせた学生たちの表情や、市民フォーラムでの皆さんの関心の高さ、そして、私の願いを聞き入れ調整して頂いた震災後の熊本城の訪問など、すべて忘れる事はできません。私の今の唯一の後悔は、日本の学校で目にした日本文化の素晴らしさをパキスタンで広めることができていない事です。もし、皆さんと一緒にこのことに取り組むことができれば、福岡市で得た素晴らしい体験への恩返しになると考えています。