サヴィトリ・グナセーカラ/ 2008年(第19回)学術研究賞

画像:サヴィトリ・グナセーカラ/ 2008年(第19回)学術研究賞

2008年、私は福岡アジア文化賞の学術研究賞を受賞することができました。福岡アジア文化賞の学術研究賞は、私の母国があり、研究対象地域でもある南アジアの多くの著名で傑出した学者たちに贈られており、私の母国では、最も名高い文化遺産保存建築家が受賞しています。このように有名で、国際的に権威ある福岡アジア文化賞の受賞者に選ばれたことで、私は自分自身をプロフェッショナルとして評価することができました。福岡アジア文化賞を受賞したことは、私の母国スリランカと私の家族への賛辞だと考えています。私の家族は、女性や少女たちに教育の機会を提供することすら困難な地域において、1940年代から私に平等なチャンスと優れた教育を受ける機会を与えてくれたのです。

また、福岡アジア文化賞の受賞は、多様な文化の中にある考えや思想を組み合わせていくことが人類の幸福や進歩につながるという私の信念を揺るぎないものにしました。アジアは、文化の多様性に貢献すると同時にその恩恵を受けてきた地域です。特定の文化を守るために自分の国・地域以外の考え方や思想を拒絶することは、私たちの歴史や経験から相容れないものです。

福岡アジア文化賞は、この30年間、重要な意義を持ち続けています。私たちは、暴力や社会の大混乱を助長する単一のアイデンティティが、世界中で、そしてアジアでますます注目を集める時代に生きています。豊かな多様性や多元的共存を称え、その多様性を尊敬することの価値を認識することは、世界的にも、私たちが住むアジアの国・地域にとっても重要なことです。私は、これまでの人権の分野での専門的な仕事や経験から、アジアの国・地域に対する誤解が存在するその一方で、アジアの文化から生まれた思想や考えが人類の進歩につながることを知っています。

今は亡き夫と私の妹と一緒に福岡市を訪れたとき、私の職業人生で一番の思い出となる体験をさせていただいた福岡市民の皆様へ感謝します。 福岡市民の皆様は優しく寛大で、私たちは素晴らしいおもてなしを受けました。この経験は、私たちの心の中に深く素晴らしい思い出としてこれから先もずっと残り続けます。

 

 

 

 

 

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