佐藤 信/ 2019年(第30回)芸術・文化賞

福岡市の皆さん、こんにちは。

私は昨年、福岡アジア文化賞の名誉ある受賞者の一人として、仲間に加えて頂いた、劇作家・演出家の佐藤信です。
早いもので、もう一年が経ってしまいました。そして今、私たちは、COVID19感染症の世界的拡大という、思ってもみなかった、社会的な困難の嵐の中にいます。

福岡アジア文化賞も残念ながら、今年は見送りという形になってしまったようですが、私はこういう時であればこそ、猶更、この賞の大切というものが際立って感じられるような気がしております。というのは、いま私たちは、人々が自然に集まって、ともに時を過ごして語り合い、そして、自分たちの手で、次の未来を築いていくという機会を完全に奪われています。それがどんなに大切なものだったかということを改めて痛感する日々を送っております。

それとともに今、このような状況下の中で、いろいろなオンラインでの在宅勤務など、新しい社会環境が変わろうとしている時に、改めて自分が暮らす地域、徒歩で歩き回ることができる地域がいかに大切であるかという事を私たちは感じ始めています。その意味で、市区町村という行政体の意味というのは、大変これから重い意味を持ってくると思います。福岡アジア文化賞は、まさしく福岡市という行政体が、近隣の国境の壁を越えて、人と人が繋がるために設けられた賞です。

その一員に加わっているという大きな名誉とともに、重責というものも感じながら、私自身のこれからの活動を続けていきたいと思っています。

この福岡アジア文化賞がさらに発展していくように、心からお祈りして、福岡市の皆さんにお礼とCOVID19感染症拡大以降の世界へ向けての新しい力強い歩みを祈念致しまして、応援メッセージとさせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

 

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