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ジャワ宮廷舞踊~王家の歴史を語り継ぐ、神聖な舞踊

cam_murtiyah_24.jpgジャワの王家に300年余りに亘って伝承されてきた宮廷舞踊。王家の分裂とともに王宮舞踊もソロ(スロカルト)様式とジョグジャカルタ様式に分類されます。

一般に広く知られているのはスロカルト王家に伝えられているソロ様式で、今回の市民フォーラムでも、ムルティアさん自ら実演をまじえた宮廷舞踊についての解説をいただく予定になっています。

今回披露していただくソロ様式のジャワ宮廷舞踊(女性による群舞)には、大きくわけて2つの種類があります。ひとつは9人で舞う“ブドヨ”、そしてもうひとつは4人で舞う“スリンピ”といわれる郡舞です。

王宮では王は神と同義語であり、どちらの群舞も、王すなわち神に捧げる舞踊という性質をもちます。宮廷における舞踊は、王の権威を高めるとともに、神に祈りを捧げる行為とされました。

とても神聖な行為である宮廷舞踊は、即位式や結婚式、宗教儀礼、祭などにのみ演じられ、踊り手たちは、舞踊の前には断食を行い、宮殿での就寝に加え、エネルギーが宿っているとされる宮殿の最も神聖な区画に一時的に隔離され、その身を清めたといいます。

現在では、ショー的な要素も取り入れられ、少しずつエンターテイメント化してきた向きもありますが、正式な宮廷舞踊は、そのような神聖な儀式として扱われます。

同じインドネシアでも、バリ舞踊などでは、ギョロリと目を見開き、表情豊かに踊る姿が特徴的ですが、ジャワ宮廷舞踊では、それとは逆に踊り手の感情を無にすることが重要とされます。

それらの点にも注目して見ていただければ、より一層面白く感じられるでしょう。

ブドヨ(Budaya)

9人(または7人)の女性により行われる群舞。ブドヨのなかには、年に一度、王の即位を祝って王宮内で披露され、いまなお門外不出で様々なタブーがある踊りもあるといいます。

かつて、ブドヨの踊り手は、宮廷舞踊家として幼い頃より宮廷内に隔離して修練を受け、儀式舞踊のために雇われていました。舞踊の能力はもちろん、バティックづくりや、文学にも精通し、伝統医学の知識を持ち薬草の調合ができるなど、様々な能力が求められたそうです。

1時間ほど続く舞踊の間は、王でさえも喫煙や飲食は禁じられるなど、大編成のガムラン音楽をバックに、荘厳な雰囲気ですすめられます。伝統的な信念により守り継がれ、王の高い精神性と権威を示す神聖な舞踊、それがブドヨなのです。

スリンピ(Srimpi)

srimpi.jpg4人の女性により行われる群舞。宮中奥深くで舞われていたもので、近年まで一般人は目にすることができなかったといいます。

4人の女性たちによって踊られるもので、非常にゆっくりとした、きわめて典雅でかつ複雑な振り付けが特徴です。

女性の斉唱、太鼓といくつかの青銅製打楽器ないしは大編成のガムランによって伴奏されます。

今回の市民フォーラムでは、ジャワ・スロカルト王家舞踊家による、このスリンピをご鑑賞いただきます。

The Wisma Ulah Budaya Foundation:Yayasan Pawiyatan Kabudayaan Karaton Surakarta
http://www.bvgnet.nl/keraenst.html
The Wisma Ulah Budaya Foundation:Beksan Serimpi Lagu Dhempel
http://www.bvgnet.nl/dhemenst.html
ジャワ舞踊における伝統と現代-レクチャー&ワークショップ/冨岡三智「2001年度秋季連続講演会」より
http://www.arc.ritsumei.ac.jp/oldarc/kiyou/02/tomioka.pdf
ジャワ舞踊の会/冨岡三智「ジャワ舞踊とは」より
http://www.gojo.ne.jp/michi/javanesedance.html
東南アジアを知る辞典より
スリンピ部分(田村史子氏)一部引用