チプコ運動~シヴァさんの原点?チプコ運動とは
1970年代はじめ、シヴァさんの故郷でもある北インド、ウッタラカンド州にあるヒマラヤ地区にある村々で生まれた、森林保護運動である『チプコ運動』。“チプコ”とは、ヒンディー語で「抱擁」という意味をもちます。
開発という名のもとに押し進められた森林伐採に反対した村の人々(主に女性たち)は、木々に抱きつくことにより、命がけで伐採に反対しました。
自分たちの体を木に縛り付けることにより森林伐採に反対するという、この非暴力的な草の根運動は、世界中に衝撃を与えました。
20代のシヴァさんは、この森林伐採に対する抗議運動にボランティアとして参加。物理学が専門だったシヴァさんが、環境問題や農業問題について傾倒していったのは、この運動がきっかけでした。
その後のシヴァさんの代名詞でもある、エコロジーとフェミニズムを結びつけた『エコ・フェミニズム』という独自の思想は、この『チプコ運動』が原点ともいえるのかもしれません。
その後、30才という若さで「科学・技術・自然資源政策研究財団(Research Foundation for Science, Technology and Matural Resource Policy)」を立ち上げたシヴァさん。世界中が注目する環境哲学者となり“もうひとつのノーベル賞”とも称される「ライト・ライブリフッド賞」を受賞するのは、それから約10年後のことです。
- チプコ運動(Chipko movement)
- 1970年代初頭にインド北部で自然発生的に起きた森林伐採に反対する運動。ガンジー思想にのっとり非暴力で行われた。
- Chipko movement(http://en.wikipedia.org/wiki/Chipko_movement)
- ライト・ライブリフッド賞
- もうひとつのノーベル賞とも称される国際賞。主な顕彰分野は環境保護、人権問題、平和活動など。2004年にノーベル平和賞を受賞した「モッタイナイ」で日本でも有名な、ワンガリ・マータイさんも、1984年にこの賞を受賞。
- The Right Livelifood Award(http://www.rightlivelihood.org/)