2021年(第31回)大賞受賞者 パラグミ・サイナート氏 学校訪問
開催日時
2023年10月20日(金)17:10~18:50
会場等
西南学院大学

学校訪問

 「声なき人びととは? 彼らにとっての自由とは?」をテーマに、学生たちとの討論会が開かれました。はじめに、サイナート氏の活動紹介として、農村危機による困窮で自殺する農民について取材したドキュメント映像を放映。その後、登壇した学生6名(外国語学部、経済学部、留学生別科)がそれぞれ質問し、活発なディスカッションが行われました。

 「自殺をした農民の遺族と会い、自分もつらい思いをしてまで農村の取材を続けるのはなぜか」という質問に対し、農村の魅力を語ったサイナート氏。「農村はインドの多様性の象徴であり、ジャーナリストにとって素晴らしいところだ。8億3300万人が780もの異なる言語を話し、希少な言語も残っている。取材はつらいこともあるが、農村の美しさや偉大さ、人間の尊厳からエネルギーをもらっている」と答えました。

 また、国の政策が農民を苦しめ、利益優先のメディアが農村危機を報道しない状況について説明。こうした中でも、農民は政府が制定した農業法に抗議を続け、2021年に法律を撤回させたことを伝え、「インドの農民の強さは素晴らしい。自分もその活力に惹かれている」と称えました。

 ディスカッションの最後には、「若者は正義について学び、行動すべき。どんなテーマであっても、どこに正義があるのか見失わないでほしい。私は人類に希望を持っている」と、熱意あふれるメッセージを贈りました。

 密度の濃い時間を共有し、真摯に語り合った登壇者全員に向けて、会場の学生からは惜しみない拍手が送られました。