- 開催日時
- 2023年9月15日(金)13:30~15:00
- 会場等
- 上智福岡中学高等学校
第1部では、「思いやりこそ新しい格好良さ―今いる場所からできること」と題する講演が行われました。ホールに集まった高校2年生とスタディツアー参加生徒に拍手で迎えられ、登壇したウム氏。近年、特にアジアで移民や難民が増えている現状と、背景にある問題点について解説しました。1975年に内戦下のカンボジアから難民として米国に移住した経験や、難民の多くが偏見に苦しんでいることをスライドを通して伝え、「私たちが望んでいるのは、普通の人間として平和に暮らすことです」と発言。また、カンボジアで起きた大虐殺に心を痛め、祖国の歴史を語り継ぐ決意に至った思いも語りました。講演の結びには、「皆さんが道を照らす光になってほしい。ホタルのように小さくても、共に世界を明るくすることはできるのです」と、希望を込めたメッセージを送りました。
第2部では会議室に場所を移し、今年8月に学校主催で実施したカンボジア・スタディツアーの参加生徒14名が、小学校での教育ボランティアやトゥールスレン刑務所の見学など、現地での活動を英語で発表しました。ウム氏は「歴史に興味を持って学び、多くの人と関わり、様々な体験にチャレンジしたことが素晴らしい」と講評しました。質疑応答では生徒から次々と手が挙がり、政治学を学んだ理由や、人生で大切にすべきことなどを尋ねました。丁寧に紡がれる言葉に、熱心に聞き入っていた生徒たち。対話を通してウム氏の強い使命感や優しい人柄にも触れ、心に響く交流の時間となりました。