2019年(第30回)福岡アジア文化賞受賞者が決定いたしました。
エルガーラホールにて行われた、福岡アジア文化賞委員会にて、本年度の受賞者が下記の通り正式に承認されましたので、ご報告します。
2019年(第30回)大賞
- フィリピン/社会学者
ランドルフ・ダビッド氏は、社会学者としての知見を大学教育、テレビ番組、新聞コラムなどを通じて広く市民とも共有することで、フィリピンにおける社会的正義の実現のために積極的に活動し、アジア諸国の学術・文化交流の推進と相互理解の深化に尽力してきた。大学を社会に開き、市民とともに、また海を超えたネットワークをとおして、今ここにある社会をより良いものに変えてゆこうとする志と活動は、アジアを代表する「行動する知識人」として高く評価されている。
2019年(第30回)学術研究賞
- オランダ/歴史学者(東南アジア史専門家)
レオナルド・ブリュッセイ氏は、広汎な時空間を対象とする「近世東アジア/東南アジア海域史」を開拓し、学際的なアプローチに基づく歴史学を確立した。中国研究から始まり、そこに日本研究の要素が加わり、さらには華僑研究を核とする東アジア海域史、そして東南アジア海域史へと視野が広がった。今日、「グローバル・ヒストリー」という歴史学の潮流が隆盛しているが、氏の学問こそまさに、ミクロな実証性に基づきつつ、マクロな視野を失わない理想的な形のグローバル・ヒストリーとして評価されている。
2019年(第30回)芸術・文化賞
- 日本/劇作家、演出家
佐藤信氏は演出家・劇作家として、現代的感覚と伝統的美意識を融合させた優れた舞台を数多く制作し、その革新的な取り組みが国内外で高く評価されている。また、アジアとの演劇を通じた国際交流を主導。さらに、公共劇場の芸術監督として、旧来的な公共ホールのイメージを一新し、近年は、アジアの演劇人を育成する事業にも、熱心に取り組んでいる。