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1998年(第9回)芸術・文化賞受賞/R.M.スダルソノ

R.M.スダルソノ顔写真
1998年(第9回)芸術・文化賞
R.M.スダルソノ
R. M. Soedarsono
舞踊家・舞踊研究者(前インドネシア国立芸術大学ジョクジャカルタ校学長)
【インドネシア/舞踊】
1933年04月05日生(65歳)

インドネシアを代表する舞踊家・舞踊研究者。舞踊創作活動などを含む実践的活動から教育活動に至る多彩な業績をあげるとともに、芸術学・歴史学・文学などの分野にまたがる幅広い研究活動を行い、国際学会などの世界的な場で大きく貢献した。

※肩書き・年齢・経歴・贈賞理由などは受賞当時のものです
【贈賞理由】

R.M.スダルソノ氏は、インドネシアを代表する舞踊家であるとともに、欧米における学問的視点に基づくアジア芸術研究の新たな時代を切り拓いた研究者である。

スダルソノ氏は、1933年にインドネシア・中部ジャワ州の古都ジョクジャカルタに生まれ、幼少の頃から舞踊の研鑽を積んだ。ジョクジャカルタ様式の舞踊の正統的継承者として、インドネシア国内はもとより、1958年以来、海外でも活躍している。

ジョクジャカルタのガジャ・マダ大学で文化史専攻の修士号を得たのち、1963年から1980年まで、国立舞踊専門学校ジョクジャカルタ校の校長を務めた。その間、1967年にはパリで講演を行い、1968年にはロックフェラー財団からの助成によりハワイ大学でモダン・ダンスとバレエを学ぶなど、欧米でも多くの研鑽を積んだ。1969年に米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校に客員芸術家として招聘され、舞踊劇『ラーマーヤナ物語』の創作を行い、高い評価を受けた。また、1970年にはジャワ古代王朝を題材とした舞踊劇『ガジャ・マダ』を創作し、これを皮切りに多くの舞踊劇の創作を手がけた。彼の創作した舞踊劇は、語りや台詞を用いる従来のジャワ舞踊劇とは異なり、西洋のバレエ作品の形式をもとに考案された音楽舞踊劇の新たな形式であり、ジャワ舞踊を斬新な形式で世に送り出した功績は高く評価されてきた。

スダルソノ氏の芸術研究者としての成果は、1983年に博士論文『ワヤン・ウォン:ジョクジャカルタ王宮における儀礼的舞踊劇』として発表され、1984年にはガジャ・マダ大学出版会から出版された。この研究は、中部ジャワ・ジョクジャカルタ様式の舞踊劇に関する、歴史学・芸術学・文学の各分野にまたがる本格的な研究成果であり、舞踊劇を含むその後のジャワ芸術研究の分野に世界的に大きな学問的貢献をもたらした。

その後スダルソノ氏は、インドネシア芸術文化研究プロジェクト長、インドネシア国立芸術大学ジョクジャカルタ校副学長、教育文化省芸術協会会長、ガジャ・マダ大学芸術文化史教授を歴任し、1992年から1997年までインドネシア国立芸術大学ジョクジャカルタ校学長に就任した。また1993年以来、アジア・太平洋各国の音楽学者たちが設立した「アジア・太平洋民族音楽学会」のインドネシア代表理事として、国際的な学会活動にも参加している。

このように、スダルソノ氏の活動は、インドネシア国内外における舞踊創作活動などの精力的な芸術実践活動から教育・研究活動まで非常に多岐にわたり、特に世界的な場における多彩な活動は、芸術・文化を通じた国際交流として重要な功績であり、まさしく「福岡アジア文化賞―芸術・文化賞」にふさわしい業績といえる。

R.M.スダルソノによる市民フォーラムのご案内

タイトル
ジャワ・ガムランと舞踊の精華
開催日時
9月28日(月)14:30~16:00 18:00~19:30
会場
エルガーラ大ホール
解説
藤井 知昭 (中部高等学術研究所副所長)
舞踊
スリンピ・パンデロリ、クロノ・トペン、ジャイポンガン「アドゥ・マニス」
 
グレモ、アルジュノ対チャキル、ジャラン・ゴヤン 他2名
演奏
アユン・アユン、パンクル 他9名
歌手
1名

インドネシアを代表する舞踊家であるとともに、欧米における学問的視点に基づくアジア芸術研究の新たな時代を切り拓いた研究者、R.M.スダルソノ氏による市民フォーラムが9月28日、エルガーラ大ホールで行われた。