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2001年(第12回)大賞受賞/ムハマド・ユヌス氏

ムハマド・ユヌス顔写真
2001年(第12回)大賞
ムハマド・ユヌス
Muhammad YUNUS
経済学者(グラミン銀行総裁)
【バングラデシュ/経済学】
1940年06月28日生(61歳)

バングラデシュの貧困な農村女性を対象に、独創的な無担保小口貸付を実現すべくグラミン(村落)銀行を創設し、開発と貧困根絶という現代的課題に挑戦しつづける世界を代表する実践的な経済学者。氏が創始したマイクロ・クレジットは、国際的に高く評価され、60か国以上の国々で実践されている。2006年ノーベル平和賞受賞。

※肩書き・年齢・経歴・贈賞理由などは受賞当時のものです
【贈賞理由】

ムハマド・ユヌス氏は、独自の発想をもとにグラミン(村落)銀行を創設して、貧困根絶活動に新たな局面を切り拓いた、アジアのみでなく世界を代表する実践的な経済学者である。

ユヌス氏は、1940年にチッタゴン市で生まれ、ダッカ大学大学院を修了後、アメリカに留学、1969年にミドルテネシー州立大学助教授に就任した。しかし独立を達成した祖国の再建に貢献するため、1972年に帰国。国家計画委員会経済部会副部会長に迎えられたが、志との違いの大きさに活動の場を見いだせず職を辞し、32歳の若さで故郷のチッタゴン大学経済学科教授兼学科長に就任した。

1974年、サイクロンの来襲による多大な犠牲とそれにつづく飢きん、そして貧困と闘いつつも、わずかな元手すらも高利貸しに依存せざるを得ない農村女性を取り巻く悲惨な状況から受けた衝撃を契機に、学究生活に閉じこもることなく貧困根絶という実践活動に身を投じていった。その動機は、自らが専攻してきた経済学への深い疑問とともに、「貧困の悪循環」からの解放を語るさまざまな学説が、現実に対して無力であるとの自覚であった。

ユヌス氏は、バングラデシュの貧しい農村にあって、さらに貧しさがしわ寄せされる女性を対象に、1976年に無担保小口貸付というリスクに満ちたまったく新しい試みを開始する。その試行を通じて見いだされたものは、貸付をうけた女性たちが、創意工夫を重ねて新たな収入源さらには小ビジネスを創出し、期日には責任をもって完済する姿であった。これが貧困根絶につながることを確信した同氏は、1983年にグラミン銀行を創設する。同銀行は現在では、女性ひいてはその家族の貧困からの脱却と自立を支える組織として、国内村落の過半にあたる約4万の村々で、約240万人を対象に無担保小口貸付を行うまでに成長した。その活動はマイクロ・クレジットの名のもとに国際的にも広がり、それを範としたマイクロ・クレジット・バンクが60か国以上の国々で設立されるに至っている。

「貧困こそが人類のあらゆる努力を汚し、侮辱するもの」「貧しくても人は自助努力をし、責任感を持って行動する」という強い信念、そして問題の所在を的確に見抜く経済学者としての洞察力、これらを同時にあわせもつユヌス氏の一連の創造的な活動は、開発と貧困根絶に挑戦する有力なモデルとして世界に大きな影響を与え、まさしく「福岡アジア文化賞―大賞」にふさわしい優れた業績である。

ムハマド・ユヌス氏による市民フォーラムのご案内

タイトル
マイクロ・クレジットと女性の自立
開催日時
9月15日(土・祝)16:00~18:30
会場
福岡市役所15階講堂
対談者
伊東 早苗(名古屋大学大学院国際開発研究科助教授)
対談者
宇治 松枝(バングラデシュと手をつなぐ会事務局長)
コーティネーター
應地 利明(滋賀県立大学人間文化学部教授)

バングラデシュの貧困な農村女性を対象に、独創的な無担保小口貸付を実現すべくグラミン(村落)銀行を創設し、開発と貧困根絶という現代的課題に挑戦しつづける経済学者、ムハマド・ユヌスによる市民フォーラムが9月15日、福岡市役所15階講堂で行われた。

関連書籍・CD他

ユヌス教授のソーシャル・ビジネス まんが版-グラミン銀行創設者・ノーベル平和賞受賞者
ユヌス教授のソーシャル・ビジネス まんが版-グラミン銀行創設者・ノーベル平和賞受賞者
【書籍】
発売日/2016年6月24日
出版元/滋慶出版、つちや書店
ムハマド・ユヌス自伝
ムハマド・ユヌス自伝
【書籍】
発売日/2015年9月8日
出版元/早川書房

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