- 開催日時
- 2024年9月27日(金)18:30~20:30
- 会場等
- UNITEDLAB メインホール(中央区大名)
- 対談者
- 藤岡 定(anno lab代表取締役)
- コーディネーター
- 松隈 浩之(九州大学大学院芸術工学研究院准教授)
第一部 ライブパフォーマンス
Face visualizer, instrument and copy
世界30都市以上で上演された代表作品をアレンジしパフォーマンス。真鍋氏が電子機器を操作し、電気刺激で変化する表情が巨大ディスプレイに映し出されると、会場は大きな拍手と歓声で盛り上がりました。
真鍋氏は、活動の原点である初期の作品 Face visualizer, instrument and copyに新しい音を取り入れたとパフォーマンスについて説明。自分の表情を自身で作り他人にコピーし、その人が笑顔や怒った顔になることは、その過程も含めて面白いのではないかと考えたのが制作のきっかけだと述べました。音の刺激を電気信号に変換したり、電気刺激で左右非対称に表情を動かしたりすることで、通常は見られない表情が作り出される。違和感が面白いと感じられたのではないかと語りました。
第二部 クロストーク
実験的メディアアートから大規模プロジェクトへ
冒頭にコーディネーターの松隈氏から、真鍋氏のこれまでの作品をプロジェクトの規模に分けて掘り下げていくと説明。「小規模にR&D(研究開発)で実験する」「自由度の高い自主プロジェクトに応用」「大規模なプロジェクトに活用」の3つのテーマが示されました。
はじめに、福岡を拠点に活動するメディアアーティストの藤岡氏が、第1部のパフォーマンスの面白さに言及し、真鍋氏の初期から現在への活動の変遷に沿って話が進みました。YouTubeのサービスが開始された初期の頃に、いち早く顔への電気刺激や筋伝センサーで身体を動かし音を出す実験を公開し、世界中で有名になったことや、他にも多くの研究開発を行い、そのきっかけや仕組みの話で盛り上がりました。
つづいて、自由度の高い自主作品について、映像を投影しながら話が進みました。真鍋氏の創作活動について、R&Dで小規模に実験したものをまとめ、自由度の高い自身のプロジェクトに作品として割り当てる。そして、制約が多い大規模プロジェクトでその技術を応用するスタイルが特徴的だと藤岡氏は説明。真鍋氏は「実験的なアートの良いところは自由度が高いところ。その先に何かビジネス等につながる可能性があるということを認識しながらも、この時点では収益などを考えずに振り切って制作している」と話しました。
そして、大規模なプロジェクトに取り入れているプロジェクションマッピングの技術などについて解説。舞台演出は、技術・機械とパフォーマーの双方からのアプローチとバランスで成り立っていると述べました。プロジェクトを支える技術の話に観客は惹きつけられました。
最後に真鍋氏から、自分の活動は音をルーツにしたメディアアートであることや、音楽も自分で制作し自由な表現を追求していきたいということが語られ、クロストークは幕を閉じました。