芸術・文化賞受賞者のシャジア・シカンダー氏が、福岡市中央区にある福岡雙葉高等学校と交流を行いました。

　講堂に集まった中学、高校の両校生徒たちを前に、花束と大きな拍手で歓迎を受けたシカンダー氏。自身の作品をスクリーンに投影し、アイデンティティに関する考え方や、異文化とその歴史をどのように作品に盛り込んでいるか、解説を交えて講演を行いました。シカンダー氏は、人種や宗教におけるカテゴリーが多様になればなるほど考える要素が増え、作品を広範囲に繋がりがあるものへ昇華し、多様な見方で理解してもらえるようになる、と語りました。講演後、福岡アジア美術館で展示中の映像作品『混乱の歓び』の一部分が披露され、生徒たちは幻想的な音楽と映像美の世界観を堪能しました。

　後半では、生徒代表グループからシカンダー氏に対し質問がなされ、故郷パキスタンから米国へ渡った経緯や、人生で最も大事なことなどが語られました。その後、女性アーティストが対峙するジェンダー格差問題、政治的・経済的弱者が経験する不平等の問題など数多くのテーマについて生徒とシカンダー氏の熱心な意見交換が行われました。

　最後に「まず自分自身を理解し、所属するコミュニティーについて考えることが重要。一丸となり取り組むことで、問題に対する解決方法を見出すことができる。また、常に限界を押し上げ、学ぶ気持ちを忘れず、色々なことに挑戦し、成長しようと心がけてほしい。」とメッセージが送られ、生徒からの温かい拍手で幕が閉じました。