岸本 美緒
開催日時
2021年10月8日(金)/17:00~18:30
会場等
九州大学 伊都キャンパス

 学術研究賞受賞の岸元美緒氏が、福岡市西区にある九州大学伊都キャンパスを訪問し、あわせてオンラインによる聴講も実施しました。

 会場に集まった学生や大学院生、教員を前に、「明清史からみる現代中国-市場・世論・国家統合」というテーマで講演が行われました。あわせてオンラインによる聴講も実施。参加者のなかには、中国の歴史に興味を持つ高校生も。岸本氏の「16 ~ 17 世紀の歴史研究をしている立場から、今の中国の動きを理解するための、何かヒントが与えられればと思います」という言葉で講演がスタート。「市場」「世論」「国家統合」の観点から、明清時代の経済や社会政策、多民族統合などについて、時おりマトリクスや地図、当時の絵画を用いるなどして、詳しくそして分かりやすく講演は進められ、最後に現代中国研究と歴史研究との対話の必要性を提起して、結びとなりました。

 講演後は、「国家がその正統性を維持するために世論つまり多人数の評判を重視し、政策が時にはキャンペーンの形で行われたという話が興味深かった」などの感想が聞かれたほか、「明清の経済が世界経済に与えた影響は」などの質問も。岸本氏は一つ一つに対し丁寧に回答。参加者は「歴史のなかの中国」と「現代の中国」をつなぐ、深い知識を吸収した時間となりました。