[ 第31回福岡アジア文化賞 授賞式 ]

9月29日(水)、福岡市と公益財団法人福岡よかトピア国際交流財団が主催する「福岡アジア文化賞」の第31回授賞式が、福岡市内で開催されました。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、観客を入れず関係者のみで実施。その様子はYouTube(ユーチューブ)でライブ配信され、秋篠宮皇嗣同妃両殿下もオンラインで御覧になりました。

今年の受賞者は、大賞:パラグミ・サイナート氏(インド/ジャーナリスト)、芸術・文化賞:プラープダー・ユン氏(タイ/作家、映画作家、アーティスト)、学術研究賞:岸本美緒氏(日本/歴史学者)の3名。サイナート氏とプラープダー氏は、自国からのオンライン出演となりました。

式典では、まず初めに、主催者を代表して髙島宗一郎福岡市長が「アジアの文化の保存と創造や学術研究の発展に、多大な貢献をされた方々へ、福岡アジア文化賞をお贈りできることを大変光栄に思う」と挨拶。

 

[ 主催者代表挨拶 : 髙島宗一郎 福岡市長 ]

次に、秋篠宮皇嗣殿下から、ビデオメッセージで「人と人との直接的な交流が制限されているこの時期に、本賞がアジアの文化の価値とそれらについての学術的な側面を伝えていくことは、大変意義の深いこと」とのおことばを賜りました。

その後、受賞者の功績紹介、賞状・メダル授与と続き、スピーチ・インタビューでは、受賞者3名が歴史に残る素晴らしいメッセージを発信しました。インドで貧しい農村を調査し「農民の物語」を伝え続ける気骨のジャーナリスト、サイナート氏は「私が知る中で最も権威のある賞の一つである福岡アジア文化賞大賞を受賞できたことは誇らしい瞬間。私にとってこれはジャーナリズムとメディアが果たすべき社会的役割の正当性を証明するもの。」と、タイを代表する作家で多才な顔を持つアーティスト、プラープダー氏は「イマジネーション、思い描く力は、現実をつくる設計図だと確信している。若者たちに励ましを送りたい。より良き未来を思い描くことを諦めないでほしい。希望はある。」と、中国明清期の社会経済史を専門とする歴史学者の岸本氏は「16・17世紀に生きていた人々に比べ、今日の私たちは格段に広い知識を持っているが、先の見えない大きな変動期に際し、不安や希望を抱きながら手探りで未来を作っていく点は同じ。」と、各々の言葉で熱く語りました。

[ 大賞 : パラグミ・サイナート氏 ]
[ 芸術・文化賞:プラープダー・ユン氏 ]
[ 学術研究賞 : 岸本美緒氏 ]

花束贈呈で華々しく幕を閉じた第31回福岡アジア文化賞授賞式。新型コロナウイルスによる影響を乗り越えて開催されたこの歴史ある授賞式は、今回、オンラインという新しい形で国内外へ届けられました。

授賞式は終了しましたが、10月には、受賞者の講演等を楽しむことができる市民フォーラムが開催されます。申込によりYouTube(ユーチューブ)で視聴可能。こちらもお見逃しなく!

※第31回福岡アジア文化賞のイベントは全て終了しました。

【プラープダー・ユン氏 市民フォーラム】

 10月2日(土)

 12:00~13:50 <プレイベント>映画上映『地球で最後のふたり』(注意:オンライン配信なし、受賞者出演なし)

 14:30~15:30 <第一部>講演・対談『タイ作家が表象した日本と日本人』

 16:00~17:10 <第二部>文学講座『世界文学としてのタイ文学』

 

【岸本美緒氏 市民フォーラム】  

  10月9日(土) 16:00~17:30 『明末清初期の中国、そして世界』

 

【パラグミ・サイナート氏 市民フォーラム】 

  10月13日(水) 17:00~18:30 『民衆の歴史文書館をつくろう~インド発、NGOジャーナリズムの挑戦』